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コロナウイルス関連英語表現集(1) 除菌ジェル、ウエットティッシュ、無症状2020.04.14


 コロナウイルス(COVID-19)関連の報道では、「オーバーシュート」や「ロックダウン」などの英語表現が飛び交い、混乱する人もいますね(大学教授でも、「ロックダウン(封鎖)」と「非常事態宣言」の違いを理解していない人がいてビックリ)。元々、overshootは技術用語なので、英語ネイティブでさえ、ちゃんと意味を理解している人は少ないと思います。

 こうしたカタカナ用語は、マスコミなどが説明しているので、ここでは、反対に、日本語のコロナウイルス関連表現が英語では、どう表現されるのかを紹介します。

マスク


 「マスクはmaskでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、英語のmaskには「仮面」という意味もあります。そこで、日本でいう「マスク」は、文脈中、口鼻を覆うマスクであることが明らかである場合を除き、”face mask”と表現するのが一般的です。

 さらに、face maskの中にも”surgical mask”(医療用マスク)もあれば(咳やくしゃみなどによる微粒子は遮断しない)、最近、メーカーの3Mとトランプ大統領の間で揉めていたマスクは、感染予防力のある医療従事者向けの”N95 Respirator”(微粒子の95%を遮断)と呼ばれるものです。なお、N95 Respiratorには工業用の「防塵マスク」もあります。

 米CDC(疾病対策センター)は、今月に入るまで「健康な人はマスクをつける必要はない」と言っていたのですが、シンガポールの調査で「無症状者も感染力がある」と判明後、マスク着用推奨にガイドラインを変更しました。下記のように、マスク以外の物も含む”face/facial covering”という表現もよく使われます。

CDC recommends wearing cloth face coverings in public settings where other social distancing measures are difficult to maintain (e.g., grocery stores and pharmacies) *
(CDCでは、スーパーや薬局など他の社会的距離措置を取ることが難しい公共の場では、布製の顔を覆う物の着用を推奨する。)
New York City mayor suggested that people in the city should wear facial coverings, such as cloth masks or bandanas, when going out in public.
(ニューヨーク市長は市民に対し、公共の場に出る時には、布製マスクやバンダナなど顔を覆う物を着用するように推奨した。)

除菌ジェル


 手につけるタイプは、”hand sanitizer”と呼ばれます。”Disinfectant(消毒薬)”も使えます。アメリカでは、地域にも依りますが、2月からトイレットペーパーとともに、hand sanitizerが店頭から消えました。そこで、「どうやって自分で作れるか」という動画などが出回っています。 

How to make your own hand sanitizer  (除菌ジェルの作り方)

 

ウエットティッシュ


  Wet tissueでも通じますが、”wet wipes”, “hand wipes(手拭き)”の方が一般的です。

  アメリカでは、トイレットペーパー不足で、代わりにウエットティッシュを使う人が増えており、下水が詰まるという問題が起きています。

Flushable wet wipes are causing sewer backups.
 (流せるウエットティシュで下水詰まりが起こっている。)

 国によっては、除菌力のあるものが売られていない場合もあります。日本では「除菌」が、細菌だけでなくウイルスの除去という意味でも使われているようです。細菌(bacteria)の除菌作用のあるものは”antibacterial”ですが、成分にウイルス(virus)を退治するアルコールが入っているとは限りません。

I always disinfect my keyboard with an antibacterial hand wipe.
(私は、いつも除菌ウエットティッシュでキーボードを消毒する。)

  なお、赤ちゃん用おしり拭きは”baby wipes”。アルコールの入っていないものは、”alcohol- free wipes”です。

無症状


 上記で出てきた「無症状(者)」は、”asympotomatic”ですが、”no symptom””without symptom”も使えます。 

How many people with the Coronavirus are asymptomatic?
(コロナウイルス感染者のどれだけが無症状なのか?)

How contagious are asymptomatic carriers?
(無症状者は、どれくらい感染力があるのか?)

Patients with mild and no symptom in Tokyo will be relocated to hotels for quarantine.
(東京では軽症や無症状の患者は、検疫/隔離のためにホテルに移送される。)

Should people without symptoms be tested? (無症状者も検査するべきか?)
The first confirmed case without symptoms has been reported.
(無症状の感染者が初めて報告された。)

 

感染者


 上記で見るように、patient, carrier, caseなど「感染者」にも複数の表現が使われます。「感染者数」という統計で使われる場合は、”case”が一般的です。 

Tokyo confirms 197 new Coronavirus cases.
(東京では新たな感染者が197人確認された。)

The true number of infected people is certainly higher than the official count.
(実際の感染者数は、確実に公式の数より多い。)

 

 


* アメリカでは、「スーパー」は”supermarket”よりも”grocery store(食料品店)”の方が一般的。アメリカ人が、アメリカ国内でsupermarketを使うのは聞いたことがない。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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