強みに特化してキャリアを築く・弱みの改善にとらわれすぎない
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元・外資系人事部長、10,000人を面接したグローバル・キャリア・カウンセラーの鈴木美加子です。本日のテーマは、“強みに特化してキャリアを築く、弱みの改善にとらわれすぎない”です。

最近20代の方々と適職を探すワークショップをする機会がありました。意識の高い爽やかな方々で、前途を心から応援したくなり、私も一生懸命取り組みました。参加者に顕著な傾向として、自分の弱みを改善しなければいけないと思っている方が多かったです。これは日本人に限らず、アジアのお受験がある国（韓国・日本・中国・台湾・香港）に多い特徴です。どこかで国立大学思考のところがあり、平均点が高い必要があると思い込んでいる人が多いように思います。

これまで1万人を面接し、複数の企業で社員のキャリア相談に乗り、現在、個人のキャリア形成に携わっている者として断言できることは、「成功している人は、強みで勝負している」です。人生、何をもって成功と言うかは難しいですが、とりあえず仕事で成功しているかどうかを指標にした場合、自分の強みを生かし極めることの方が遥かに重要です。

実際に、診断ツール「ルミナスパーク」の結果を見ながら解説します。

この方は、37歳で品質管理の仕事に就いています。結果重視、規律重視、データ重視、内向的、この4つの資質を合わせると品質管理は天職です。ところが、ご本人がチャレンジしようとしているのはマーケティングなのです。マーケティングで成功するには、右上、黄色の部分、ビジョン重視、革新性・独創性があるなどが必要な要素になるのですが、この方の場合は、そこが強みでないことが明らかです。
人には持っている強みと弱みがあり、何でもできる完璧な人はいません。元々あまり強くないものを、努力で一生懸命引っ張り上げても、どのくらいスコアを伸ばせるのかは非常に疑問です。それよりも本来の自分の強みを活かして、品質管理の仕事を極めた方が、この方の場合は満足度も高いし仕事でも成功することになります。

もう一つの例を挙げます。この方は27歳で役員の秘書です。秘書にどんなことが一番求められるかと言うと、細かいところに気がつくところでしょう。この方は青のデータ重視、慎重、細部に気がつくなどの軸が短く、スコアが非常に低い分野になります。つまり現在は、たくさん強みがある方が、数少ない弱みで仕事をしていることになります。
詳しくお話を伺うと、上司である役員の方から、かなり頻繁に注意を受けているとわかりました。会議室が予約できていなかったり、役員の予約をたまにダブルブッキングしてしまったりするからです。上司から「もう少し細かいところに注意を向けろ」と叱られていますが、細かいことに注意を向けるのがそもそも苦手に生まれているので、これは難しいリクエストになります。

この方はまだお若いですし、私はキャリアを変えることをお勧めし、全く違うお仕事に転職しました。2年後の現在、仕事で成果も出していらっしゃるし、ご本人も満足と言う状況です。

この2つの例から分かるように、平均点が高くバランスが取れて何でもできる必要はありません。会社員としてキャリアを築く上では、1つのことに秀でていることが重要です。持って生まれた強みを認識し、その強みが生かせる仕事、企業文化を得ることが重要です。キャリアに悩んだら、強みと弱みを棚卸しすることから始めると早いです。

Good Luck!!

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