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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資系が求める理想の人物像2020.06.02


元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「外資系が求める理想の人材像」です。


この週末は、現在、日本企業にお勤めで外資系に転職したいのだけれど、そもそも自分が外資系に向いているのかどうか判断できずにいる方からのキャリア相談が多かったです。そこで本日は、外資系が求める人材像を改めて取り上げます。

1. 自立型人材である


外資系には、中途採用者に対し丁寧にいろいろ教えてくれるプロセスはありません。即戦力を見込んで採用しているので、ある程度のスキル・経験値を持っていて当然という考え方です。


例えば、引き継ぎのマニュアルが存在しないことは往々にしてあります。自分で調べればわかることは調べ、誰かに聞く場合もメモを取るなどして同じことを何回も聞かずに、できれば入社後3カ月位で新しい会社で貢献を始められるような自立型人材が、外資では求められています。


思い返せば、私が最初の職場・GEに就職した時、入社のオリエンテーションはほとんど何もありませんでした。わからないことだらけの日々で驚きましたが、周りの方の仕事ぶりを見ながら、見よう見まねで何とか学びました。新卒でもこうなのですから、中途採用で入社するときにはさらなる即戦力が求められるでしょう。

2. アサーティブである


“Assertive”は日本語に該当する単語が存在しないためカタカナになった言葉です。日本に最初にこの概念を導入したアサーティブ・ジャパンによると、アサーティブとは”自分の気持ちや意見を、相手の気持ちも尊重しながら、誠実に率直に、そして対等に表現すること” になります。職場に当てはめると、自分の意見を上手にしっかり伝えられるスキルになります。


日本で教育を受けた私が、GEに入社して身につけるのに少し時間がかかったスキルです。日本で教育を受け、人前で意見を述べないことに慣れていると、自分の意見を堂々と述べることに最初の頃は抵抗があります。ただ外資系で会議の時、特に外国人と一緒で言語が英語になったときに自分の意見が述べられないと、”この人は能力がない”と誤解される可能性があります。


謙虚の美徳と言うコンセプトは存在しないので、ほどよく自分をPRできる力、自分の意見をうまく伝えられる力は非常に大切で、このスキルがないと外資系ではかなり損をするので要注意です。

3. 想定外に強い


ホフステードの異文化6次元モデルに世界の文化を測る尺度として、 ”Uncertainty Avoidance Index”、日本語で言うと「不実性回避度」があります。わかりやすく言うと、どのぐらい石橋を叩いて渡りたいかと言う尺度です。日本のスコアは0から100のスケールで92であり、世界でも指折りの「石橋を叩いて渡りたい」国になります。


この文化の中で育った日本人は、先が見えないこと、前例がないこと、予想しにくい事を避ける傾向が高いのです。日本人同士で仕事をしている場合はそれでも良いのですが、仕事をする相手が外国人になると、相手の不確実性回避度が下がる場合が多いので、仕事がスムーズにいかないことが増えてしまいます。


ある程度のところでとりあえず見切り発車でやってみる、また想定外の事態になってもスピーディーに舵を切り直して方向転換できるかどうか、これも外資系に向いてるかどうかを測る大きな指標です。

4. 英語力


外資系が求める理想像のトップに、英語力が高い人が来ないことに驚きましたか? 確かに外国人と仕事するのですから、ほとんどのポジションで英語は必須です。とは言え、外資は英語屋さんを雇いたいわけではないので、まずは、必要なビジネススキル・経験値があり、外資系に向いていると思われる性格的要素が揃っているかどうかを候補者に求めます。


求められる英語力は仕事内容によって変わります。役職の上下でおおよそ予想できた時代は過ぎ、現在はある人がどのぐらいグローバルに仕事をしているかが鍵になります。例えば、法務部のNo.2で上司が日本人の人より、まだ入社3年目のSEだけれどインドや中国のエンジニアとプロジェクトを組んで仕事をしている人の方が、高い英語力が必要になります。英語力に不安を感じている人は、面接の時にどのぐらいの英語力が求められるのかをよく確認すると、後で「こんなはずじゃなかった」という事態を避けられます。


人生の中で、仕事に費やす時間は長いです。自分に合わない会社に転職すると再び転職することになりかねないので、外資に向いているかどうか今一度振り返ってください。応援しています!

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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