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世界の子育て事情!ワーキングママの理想の国2014.03.24

日本の「ワーキングママ」 仕事と子育ての両立は難しい?!

working_mama01社会での女性の活躍の場が増加し、最近では仕事と子育てに奮闘する、働くお母さん「ワーキングママ」も増えてきました。企業により差はあるかと思いますが、出産・育児休暇の取得率も上がり、育児休暇後に早々に職場に復帰してまたイキイキと活躍するママも少なくありません。

 

一昔前の「出産するときに退職するのは当たり前」という考えは薄れ、それだけ社会制度の整備や、職場や家族の理解がされるようになってきたということでしょう。男性の育児休暇も少しずつ取得率が高まっているようです。

 

しかし、ある調査において、「仕事と育児は両立が困難だと思うか」との意識調査で実に約7割強の人が「困難だと思う」と回答している事実もあります。実際のところ、ワーキングママの子育てと仕事の両立には、短時間勤務などの職場の制度や理解だけでなく、家族の協力も必須になります。

 

しかし、都心部を中心に子どもを預ける保育サービスが少ないことや、子どもが体調を崩したときなどの急な対応、さらには家事全般もこなさなければならないなど、核家族で支援が得られない場合にはワーキングママは悲鳴を上げてしまいます。

 

ワーキングママへの理解が高まっている中でも、仕事と育児は両立が難しい、それが現在の日本の実情なのかもしれません。

 

では、世界のワーキングママの事情はどうなのでしょうか?制度も習慣も違う外国では、日本よりも子育てと育児が両立しやすい国があるようです。今回は、アメリカ、シンガポール、フランスを例に、ワーキングママの子育てと仕事の両立について見ていきましょう。

アメリカの多忙なワーキングママへの理解と協力

多くの女性が男性と同等に社会で働く機会が増えてきた日本ですが、いまだに働く女性は結婚、出産までの腰かけという風潮が抜けない面もあります。

 

しかしアメリカでは早い段階から、仕事において男女が等しく活躍の場を与えられているため、ワーキングママの割合も高いのです。

 

ただ男性と同じように働いているため、アメリカの妊婦さんの多くは出産ギリギリまで通常通りの業務内容で働いています。出張対応や重役会議などいつも通りにパワフルに仕事をこなしている妊婦さんも多いのです。では、そんな多忙なアメリカのワーキングママたちはどのように仕事と子育てを両立させているのでしょうか。

 

アメリカ、特にニューヨークなどの大都市においては、ワーキングママがたくさんいるため、子育てに対する会社の理解が進んでいて融通が利くところが多いことがあります。

 

たとえば、学校帰りの子どもをオフィスのデスクの側で待たせていても良かったり、夏休み中の子どもを連れて仕事に行ったり。これは日本ではちょっと考えられませんね。

 

またアメリカのオフィスではデスク間の仕切りが高かったり、場合によっては個室になっているところも多いので、他の社員に迷惑をかけるといった心配が少ないということもあります。

 

また、ベビーシッターを雇うことは日本よりも身近で充実しています。日本だと「母親が働きに出てベビーシッターを雇う」ことは、「子どもの面倒を見ずに働きに出ている」というようなネガティブなイメージを持たれがちですが、アメリカのワーキングママたちの間ではベビーシッターを利用することは一般的なことで、ベビーシッターの数も多いため比較的安価に子ども預けておくことができます。

 

 *ベビーシッターの料金相場
  アメリカ 8~10 US$程度
  日本   2,000~3,000円程度 (その他入会金などの利用料がかかる場合が多い)
  ※時間帯や子どもの人数によっても異なります。

 

さらに、同じ地域や同じマンションに住むワーキングママたちでコミュニケーションを取り、仕事などで忙しいときにはお互いに子どもを見る協力体制ができているのです。会社や地域において理解と協力を得ながら、子育てと仕事を両立させているのですね。

住み込みメイドが当たり前!駐在のワーキングママにも優しいシンガポール

東南アジアの国々では家事全般を行うメイドのお仕事が一般的に根付いています。特に、世界各国の大手企業が東南アジアの拠点として支社を出しているシンガポールでは、赴任先の住まいにメイドを雇っている家庭も少なくありません。

 

実際にシンガポールの日本人駐在員の家庭でも、住み込みでのメイドを雇うことが増えているようです。最初に何人かを面接し、子どもに懐くことや子育て経験があるなどの条件から選ぶことができます。日本人には住み込みというと抵抗がある方も多いかもしれませんが、24時間対応ができるのはワーキングママにとってとても安心できることです。(ただしメイドさんの基本的な労働時間は決まっています。)

 

 ※シンガポールのメイドの料金相場(フィリピン人の場合)
  住み込み SGD$350~400(約21,000円~24,000円)
  4時間  SGD$50(約3,000円)

 

メイドさんは、食事の用意、片づけ、掃除、洗濯、子どものお迎えなど基本的な家事全般を行ってくれるので、ワーキングママは仕事に専念できます。帰宅後には夕食ができているわけなので子どもと一緒に食事をゆっくりとることができ、さらにその後も家事にとらわれることなく子どもとの時間としてたっぷり過ごすことができます。

 

また、シンガポールではWork from Home(在宅勤務)の日が週に1回程度設けられているところも多く、在宅で仕事をしながら普段メイドさんではできない家のことをやったり、ワーキングママには作ることが難しい自分の時間を楽しむことも可能です。

 

このようにメイドさんが家事の多くの部分をやってくれるので、ワーキングママにはとっても優しい環境と言えます。日本では住み込みで働くメイドさんというのは考えづらいものですが、家事も仕事として捉え、社会全体で分担して行っていくというのは日本でも学ぶべきことがあることかもしれません。

社会制度が超充実!制度に守られているフランスのワーキングママ

さて、続いてはフランスについて見ていきます。
フランスでは25歳~49歳の女性の8割もの人が何らかの仕事に就いています。ちなみに日本での同年代の就業率は6割弱程度。ではこの数字の違いは、どこから来ているのでしょうか。日本とフランスを比較しながら見ていきます。

 

まず、正社員の週労働時間は、
  フランス 35時間  (1日7時間労働)
  日本   40時間+α(1日8時間労働)

 

となっています。それに加え、日本では超過して残業ということもよくありますが、フランスでは徹底して就業時間が守られているということも考えると、実際の労働時間には相当の差が出ていると言えます。労働時間で言えば、フランスの方が圧倒的に育児の時間を確保しやすい、ということがあります。

 

次に、出産後の育児休暇期間については、フランスが3年、日本が1年です。加えて、フランスでは、復職後も以前と同等の地位が与えられることが法律で定められています。一方、日本では復職後の地位についての特別な法律はありません。またフランスでは育児休暇中の補助金制度も手厚く、金銭的にも安心して子育てをすることができます。

 

もちろん、フランスも日本も出産後まもなくフルタイムで復職することも可能。現在日本では保育所が足りず待機児童が問題になっていますが、フランスでは子どもを預ける場所が多くあります。通常の保育園の他にも、個人で経営する「保育ママ」や、派遣会社のベビーシッターなどその選択肢が豊富で、子どもを預けられないから仕事に復帰できないといったことが少ないのです。

 

また、子どもの幼稚園や小学校が終わった後も、市町村が管理する児童館などで見てくれる場所もあったり、企業側も子ども夏休みなどのときには働かなくても良いという学校に合わせた働き方ができるような制度を設けているところもあります。

 

このようにフランスでは、ワーキングママの仕事と子育ての両立が可能なように手厚い社会制度が整えられ、すでにそれが利用され上手く機能しているのです。一定期間は子育てに専念したい場合なども、個人のスタイルに合わせて選択ができ、経済的支援も充実しているところが、フランスのワーキングママが多い理由です。

子育てと仕事を両立しやすい環境を

いかがでしたか。国によってざまざまですが、日本とはだいぶ異なる子育てと仕事事情が見えてきたのではないでしょうか。それと同時に、現在日本が抱える子育てと仕事の両立においての問題点も浮き彫りになってきました。

 

「育児と仕事に対する周囲の理解を高めたい」「もっと家族や地域が、女性が育児と仕事を両立するのに協力的になるべきだ」といった風潮の変革に加え、女性が仕事をしながら子育てをするための、社会制度の充実、企業側の理解、保育所などの増設など、具体的な施策や努力が必要になってくるでしょう。ベビーシッターなどは日本でも増えてきてはいますが、料金が高額だったり規則が複雑だったりして、外国のように安価で気軽に雇えるようになるにはまだまだ時間がかかりそうです。

 

またあらゆるビジネスの場面においても、ワーキングママの“ママ視点”が商品やサービスに活かされ、それらの商品やサービスは女性から高い支持を得ているといったように“ママ視点”が欠かせないという状況もあります。このようなことを踏まえても、今後日本もよりワーキングママに優しい、子育てと仕事を両立できる環境を整えていかなければなりません。

海外でワーキングママになる?

文化や習慣の違いはあれど、今回紹介した3つの国のスタイルから学べることも多いのではないでしょうか。アメリカ、シンガポール、フランスに限らず、ワーキングママが多かったり、社会制度が充実している国は他にもたくさんあります。より良い環境で仕事と育児を両立させたい、海外で子育てしながら働きたい、などと考えている方は、その国の社会制度やワーキングママ事情も調べておくと安心ですね。

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