グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

有元美津世のGet Global!

外資・グローバル転職で役立つ英語表現(48)-- Storm2023.08.22

 

  台風8号(Typhoon Lan)が去って、ほっと一息の日本ですが、南カリフォルニアでは、84年ぶりにハリケーンが上陸する見込みで、洪水の恐れがあるため、非常事態宣言が発令されており、内陸部では避難命令が出されている地域もあります。

  あいにく先週の台風は、コロナ前のピークレベルに回復した訪日観光客であふれる中でのことで、日本観光に関するオンラインコミュニティでは、日本で観光中の人、ちょうどその頃、関空から帰国予定の人、成田に到着予定の人などの投稿が相次ぎました。

  「(アメリカの)ハリケーンに襲われる地域に住んでるけど、ハリケーンが来るとなると食料品の買い出しとかするけど、どう準備すればいい?」(※1)「旅行をキャンセルした方がいい?」「便を変更した方がいい?」といった質問が寄せられました。

  日本に住んでいる外国人の多くは手慣れた調子で「(台風といっても)雨がたくさん降るだけ」「明日には晴れるよ」といった回答が多かったのですが、最大の問題は新幹線などの交通手段が停まってしまったことでした。多くの旅行客が日程変更を余儀なくされ、中には米原で何時間も停まっていた新幹線の中に缶詰となり、「日本語でアナウンスがされてるけど、まったくわからない。明日、東京から帰国する便に乗らないといけないんだけど」という人もいました。

 

Storm

 

  「今、大阪にいるんだけど、アメリカに帰った方がいいかな?」という質問には、日本在住のアメリカ人が「日本の台風は、アメリカでは "storm" または "severe storm" 相当」「ハリケーンや竜巻の多い地域に住んでるなら、日本の台風には気づきさえしないかもね」と答えていました。

  これは、まさに、私が書こうとしていたこと!日本の「台風」の多くは、規模的にはアメリカでの "storm" に該当します。私が10年以上住んでいたテキサス北部は、とくに春は "storm" のシーズンで、雷だけでなく、竜巻(tornado)や霰・雹(hail)を伴うのですが、これを日本語で表現するのに困るのです。日本語では「嵐」というのは、あまり使わないので、仕方なく「暴風雨」を使っていましたが、なんかしっくりこない...

  クルーズ船のクイズ(trivia)で、「台風」に関する質問が出たことがあるのですが、世界の多くの人は "typhoon" が何かを知らないのです。毎年のようにハリケーンに見舞われる地域の人でも「typhoonって何?」という感じなので、”storm”といった方が通じます。実際に、台風に関するニュースでも、下記のように "storm" が使われています。


A major storm, Typhoon Lan, made landfall in Japan on August 15.
(大きな嵐である台風8号は、8月15日に日本に上陸した。)   make landfall =上陸する


The storm with strong winds left thousands of homes without power.
(強風を伴う台風のせいで、何千軒もが停電に見舞われた。)


By evening, the typhoon was downgraded to a tropical storm.
(夜までに、台風は熱帯低気圧に弱まった。)


  下記のように、英語では「雷を伴う嵐」「霰・雹を伴う嵐」という表現も、頻繁に使われます。


A severe thunderstorm warning has been issued for the area as the storm approaches.
(嵐が近づき、その地域には雷雨警報が出されている。)


Tens of thousands of homes were damaged by the hailstorm.
(何万軒もが、霰・雹を伴う嵐の被害を受けた。)

 

豪雨

 

   "Heavy rain"よりも激しい「豪雨」を表現したければ、"treacherous rain" などが使えます。なお、「大雨」を直訳して"big rain"という人もいますが(ベトナム人にも)、"big" というのは大きさを表すものなので "rain" には使えません。程度を表す "heavy" が使われます。


The severe storm brought treacherous rain to the area.
(激しい嵐/台風が、その地域に豪雨をもたらした。)


More treacherous rain is headed for Tokyo.
(東京には、さらなら豪雨が近づいている。)


The typhoon is expected to bring heavy downpours.
(台風は豪雨をもたらすと予想されている。)


A drenching storm is bringing a flood risk to the area.
(豪雨を伴う嵐で、その地域には洪水の危険が生じている。)    drenching = 土砂降りの

 

運休、足止め

 

  「電車の運休、運転見合わせ」には、”suspension”や”cancellation”、「足止め」には”strand(ed)”などが使えます。


Airlines and railways canceled service ahead of the storm.
(航空会社や鉄道会社は、台風に先駆け、欠航や運休を行なった。)


Bullet train service between Nagoya and Okayama will be suspended all day.
(新幹線は、名古屋~岡山間で終日運休する。)


The typhoon disrupted travel for many Japanese traveling during the Obon holiday.
(台風の影響で、お盆休みで旅行している多くの日本人の足に支障が生じた。)


2 million commuters in Tokyo were stranded for hours as train service was suspended.
(電車の運休で、東京では200万人の通勤客が足止めをくらった。)


I’m stuck on the bullet train now. I have no idea when service will resume.
(今、新幹線で立ち往生している。いつ運転が再開するのかわからない。)




  (※1)アメリカでは、ハリケーンの直撃を受け得る海辺であれば、窓やドアにべニアを打ち込んだり、発電機を調達したりするので。たいてい売り切れるが。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

合わせて読みたい

---