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これまで、デジタルノマドビザ(DNV)に関しては、何度か書いてきましたが、DNVの場合、多くの場合、滞在期間は最長で1年、更新できて2年です。外国で1年以上の長期滞在をするには”Golden Visa”などの長期滞在ビザを取得するという方法もあります。
"Golden Visa"というのは、渡航先の国で規定の投資を行なうことで取得可能な長期の在留資格のことを指します。国によっては、永住権や市民権(国籍)を取得できる場合もあります。
現在、30ほどの国がGolden Visaを発給しているようですが、今回は、日本からも人気の東南アジアの例を紹介したいと思います。
一番最近では、昨年、インドネシアがGolden Visaの発給を開始しました。同国内で法人を設立しない個人の場合、国内で35万米ドル以上の預金や株式投資などを行えば5年間の在留資格、70万米ドルの預金や投資を行えば10年の在留資格が得られるというものです。不動産購入の場合、100万ドル以上の物件というのが条件です。
Golden Visa発給開始から1週間後、最初に取得したのが、OpenAIのCEO、Sam Altmanで、同ビザで海外からの投資を招致したいインドネシア政府にとって、世界的に大々的なPRとなりました。
なお、インドネシアでは、2022年に5~10年滞在できる”Second Home Visa”の発給も始めましたが、国内の銀行に13万ドルを預金するというのが条件です。不動産購入でも取得可能ですが、バリ島であれば32.5万ドル以上の物件、その他の島であれば13万ドル以上の物件である必要があります。
Second Home Visaの方が必要な資金が低いので、個人投資家の場合、わざわざハードルの高いGolden Visaを取得する人がいるのかという疑問があります。
なお、インドネシアでは、デジタルノマドビザは導入されていませんが、最高半年まで滞在できるビジネスビザ(B211)を取得して、ノマドをしている外国人は多数います。
Second Home Visaといえば、マレーシアが2002年に導入したMM2H(Malaysia My Second Home)ビザが有名です。(※1)ところが、(対象を富裕層に絞るため)2021年に発給条件が改定され、必要な収入が月1万リンギッド(RM)から4倍のRM4万に引き上げられました。RM4万といえば、当時のレートで100万円以上だったので、クリアできる人が減り、申請者数が激減しました。
マレーシアが、新たなMM2Hプログラムに、プラチナ、ゴールド、シルバーというランクを導入したのは、タイが、昨年から開始した”Thailand Privilege”会員権の真似をしたのではないかと思います。(このプログラムの前身だったElite Visaは、2023年9月で終了。)このプログラムは、5~20年の在留許可(ビザ)を特典付き会員権として切り売りするものです。
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大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。