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紺碧の海岸と降り注ぐ太陽の光線。その魅力で全世界から観光客を集める南仏コート・ダジュールが毎年5月、さらに多くの人たちを呼び寄せます。
カンヌ国際映画祭はコート・ダジュール沿いの都市カンヌで開かれる、世界で最も有名な映画祭の一つです。今年は5月14日~25日の約2週間にわたって開催され、今回で67回を迎えます。
この映画祭は世界各国の映画スターやセレブリティを集結させるイベントであるだけでなく、映画制作会社や俳優らによるプロモーションの場ともなっており、世界中が注目しています。そのため、スポンサー企業もサポートに力を入れ、期間中は様々な取り組みを行っています。
今回は、そんなカンヌ国際映画祭を裏側でサポートするグローバル企業の“すごい”活動をご紹介します。
映画祭のオフィシャルメイクアップアーティストを務めているのは、世界最大の化粧品会社L’ORÉAL PARiS (ロレアルパリ)。昨年は、“ゴールデン・サンセット”という名の新しいメイクアップを提案し、レッドカーペットに登場する各国の映画女優たちをさらに綺麗に輝かせました。
女優たちだけでなく、一般の女性も輝かせるのがロレアルパリ流です。カンヌ映画祭期間中は、市内の大手デパートやコスメショップに女優メイクアップルームさながらのスタンドを設置。一般女性にも無料でメイクアップをしてくれるサービスも行っています。映画祭の期間中、街に女優が増えたなと感じても、実はその多くは一般女性かもしれません。
オフィシャルのヘアメイクを務めているのは、世界中に1000店舗を越えるサロンを展開しているブランドサロンDESSANGE(デサンジュ)です。58段階に及ぶ独自の厳しいカリキュラムを習得したスタイリストが、女優の髪型を自由自在にアレンジします。
デサンジュもその特別な技術を映画祭の期間中、一般の女性に公開します。そのためにバスを特別に改造し、「ヘアカプセル」と名付けて、人通りの多い場所に駐車させます。デサンジュが誇る独自の技術が「3Dカット」と呼ばれるもの。一人ひとりの顔立ちや、骨格、バランスに合わせて立体感を創る極めて繊細な技術のため、その人が持つ美しさを最大限に引き出してくれると評判です。
“パルムドール”と呼ばれる最優秀作品賞のトロフィーの製作を請け負っているのは、ジュネーヴに本社を置くChopard(ショパール)。トロフィーだけでなく、カンヌの代名詞レッドカーペット上で女優が身に着けるジュエリーを提供しています。このジュエリー、レンタルではあるもののドレスに合わせて特別に作る一品モノなのだそうです。
カンヌに合わせて発表されるジュエリーコレクション「レッドカーペットコレクション」は15年続いていますが、昨年は「グリーンカーペットコレクション」を初めて発表しました。これは、紛争地とは無縁の公正さが証明された鉱山から採掘されたゴールドを使用したジュエリーコレクションです。「命の犠牲の上に美は成立しない」そんな力強いメッセージをカンヌで発信しています。
30年以上にわたってカンヌ国際映画祭に車を提供しているのは、地元フランスの自動車メーカー、RENAULT(ルノー)です。協賛スタート当時は30台の提供でしたが、その数は年を追うごとに増加し、近年は200台以上のルノー車がカンヌで活躍します。
レッドカーペットに颯爽と横付けされるのは、ルノー車が誇る最高級車「ヴェルサティス」。サルコジ大統領も愛したこのクルマのエクステリアは、ルノーらしいダイナミックで細部にまでこだわりを感じさせるデザインです。インテリアは高級感があり、ラグジュアリーな座り心地が約束されています。
“映画の父”と言われるリュミエール兄弟との縁もあるルノーは、「ルノーと映画とのラブストーリーは110年以上続いている」と素敵なコメントを発表しています。
穏やかな風が心地よい5月、カンヌの街に降り立つ者は皆、ビルラッピングやポスターにより一変した街に圧倒されます。巨大なサイズにも関わらず鮮明この上ないクオリティーのディスプレイを陰で支えているのが、日本でもお馴染みのメーカー、hp (ヒューレット・パッカード)です。
ヒューレット・パッカードが誇る印刷技術はまさに一流といえます。印刷物を継ぎ目なくつなぐことができ、紙だけではない様々な素材にプリントすることも可能です。インクも滑らかで、かつ高発色の出力を実現する幅広い色域表現を持っています。最先端の技術により、なんと200年以上の耐久性がある印刷物を生み出し、カンヌの街を賑やかに、かつ美しく盛り上げているのです。
今やテレビだけでなく、スマートフォンやタブレットでカンヌ国際映画祭の状況をチェックする時代。カンヌに現れたスターたちの一挙手一投足を瞬時に世界中へと配信しているのは、“インターネット上最大の会社”と呼ばれるAkamai(アカマイ)です。2011年に初めてiPhone、iPad、Android、Blackberry端末への映画のプレビューと関連オンデマンドコンテンツの配信を担当しました。
アカマイがすごいのは、Akamai HD Networkというシステムを駆使して数百万の同時ストリームを管理できること。これにより、私たちはあらゆる端末で高精彩な動画を見ることができるのです。今後、アカマイのデジタル技術のおかげで「カンヌ国際映画祭がデジタル時代を迎える」とも言われています。
カンヌ国際映画祭を裏側でサポートしている企業は、これでもまだごくごく一部です。世界中の注目を集める場所には、世界中から必要とされる技術を持つ企業が集まります。カンヌ国際映画祭のプログラム構成自体は大きく変わらなくても、周辺環境は毎年大きな変化を遂げています。
今年は一体どんな人や技術がカンヌを盛り上げるのか、皆さんも注目してみてはいかがでしょうか。