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鈴木美加子のグローバル人材塾

完璧主義は、英語面接の邪魔になる2024.02.13

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、面接で成功するために、なるべく完璧主義を捨てるです。

この3連休、英語での模擬面接のリクエストが多かったのですが、1つ共通していることがありました。それは、完璧主義を英語での面接に持ち込むと、かえってうまくいかないです。

日本人に完璧主義の傾向がある事は、異文化モデルのホフステードでも明確に現れています。日本人は、物事に秀でることを良しとする指標のスコアが1~100の物差しで、95と非常に高いのです。個人差はありますが、完璧主義の人が多い国民と言えます。

完璧主義の候補者が英語での面接を控えた時に取る行動は、想定質問集を作りその答えを、英語で作って丸暗記するです。面接官が想定質問だけをしてくれると嬉しいのですが、そうとは限らないのが現実です。準備していない質問をされた時に、アドリブがきかず頭が白くなってしまい、かなりあたふたする、最悪の場合は答えられないと言うことが頻繁に起こります。

想定外の質問がされるかどうかは、されると思ったほうが良いです。面接官を長くやっていると、シナリオを全部用意して暗記している候補者はわりとすぐわかります。答え方があまりにもすらすらと流暢だからです。考えるという作業がなく、聞かれた途端にペラペラ答えられる感じと言えばわかりやすいでしょうか。

「あー、全部用意してあるんだなぁ」と思ったら、面接官としては本来の英語力を確かめる必要があるので、少しひねった変化球の質問を投げます。ここで崩れてしまう候補者も、残念ながら一定率います。

面接に向かって一生懸命な事は素晴らしいことですし、用意することは大事です。ただ、あまりに質問と答えを決めすぎて、全部を頭に叩き込んでしまうと、現場で融通が利かなくなってしまうリスクがあるので、ほどほどにしておいた方がいいです。あまりに完璧に丸暗記してあると、「こういう風に答えた方がいいですね」とアドバイスしても後から頭に入らなくなってしまい、丸暗記の怖さも感じます。

元エグゼのネイティブ・スピーカー3人に、外国人との面接について聞きました。彼らが求めていることは以下だそうです。

- 仕事がどれくらいできるのか、実績を明確に示して欲しい。
- 堂々と見えることは自信と直結するのでプラスになる。
- 英語が母国語ではないとわかっているので、流暢さはある程度しか求めていない。ペラペラ喋れることは最初から期待していない。

英語をスムーズに話せるかどうかよりも、実績をアピールできるかどうかの方が大事ということなです。自分のこれまでの実績をどうまとめるかなどに準備を費やし、あとはあまり丸暗記しようとしなくて大丈夫です。

英語での面接で大事な点を、ネイティブ・スピーカーの意見も取り入れてまとめると以下になります。

◆当日、想定外の質問に対応できる力を残す
質疑応答をガチガチに固めて丸暗記しない方が良い。外資は想定外のことが多いので、予期せぬことに上手く対応できるかを重視します。

◆ロジカルに話す
英語での面接で大事です。結論ファースト→3つの根拠・理由→結論を繰り返す という鉄板のテンプレートに落とし込める内容の時は、ぜひ使ってください。落とし込めない場合も「結論ファースト」は必須です。

◆短く話す
詳細に入り込み答えが長くなる人もいますが、面接官にも記憶力のキャパがあり、長すぎると最初のあたりを覚えてもらえないので勿体無いです。

◆実績をアピールする
まずはどの実績を一番にPRしたいかですが、今回応募しているポジションで必須とされている経験値・スキルに紐づいている内容がベストです。たまに面接官が触れてくれないこともあり得るので、自分からどのように言い出すかは考えておきたいです。

外国語で受ける面接なので緊張して当たり前ではありますが、あがりすぎることにメリットはないので、適度な準備をしてあとはその場でどうにかする柔軟な姿勢で臨んでください。応援しています!

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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