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鈴木美加子のグローバル人材塾

外資への転職 節目の年齢3つ2024.04.09

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、「外資への転職で節目になる3つの年齢」です。

外資とは言え日本法人は、海外本社と全く同じわけではありません。基本的には年齢・性別不問ですが、3つ節目となる歳があります。日本企業から外資への転職を考えたい、または長期的なキャリアをプランニングしたい時に参考にしてください。

 

(1) 30歳

 

外資系が、職歴・経験にこだわらず本人にポテンシャルがあると思えば、採用する年齢の上限です。つまり20代なら、大きなキャリア・チェンジも可能ですし、例え、履歴書に紆余曲折があったとしても、外資は許容してくれるので本当にやりたいことがあったら、チャレンジしてください。他方、この年齢を超えると大きなキャリア・チェンジが難しくなります。同じような年齢ですでに10年近い業界経験がある候補者がいれば、即戦力重視の外資は、そちらを優先して採用します。

30代以降の方が今までのキャリアを大きく変えたい場合は、現在の職場で異動できないかを真剣に考えることをお勧めします。すでに「仕事ができる」と評価されている職場であれば、経験がなくても社内異動できる確率は高いからです。現職から外に出ることを決意して、英文履歴書を提出すると即戦力が無い人と書類上は映り、書類選考で落ちてしまう可能性が残念ながら高いです。

その場合は、「なぜ自分なら出来ると思うか」を客観的に、熱意を持って伝えられることで、ハードルを乗り越えられることがあります。

 

(2) 40-42歳

 

日本企業にお勤めの方が、外資に初めて転職したい場合の上限の年齢になります。それぞれの企業に文化があり、人は年齢を重ねるごとに柔軟性をなくしがちです。20年間同じ企業に勤めていると、その企業の影響を多大に受け新しい環境に適応するのが難しいのではと、採用する側は判断するからです。

私自身、この年齢を超えた方の採用で3件ほど失敗しています。日本の大手企業が20年以上ある方を、経験値・知識を見込んで採用させていただきましたが、最終的に環境に馴染めず「前の会社では」を頻繁に使われて周囲も困ってしまいました。柔軟性は、新しい職場に慣れるためには重要な資質です。ご本人も、「こんなはずではなかった」「前の会社の方が良かった」と、前職と比較されて辛かっただろうと思います。3人のうち2人が1年以内にお辞めになりました。

 

(3) 50歳

 

残念ながら年齢に対する偏見がある日本の労働市場では、この年齢を超えて転職できるのは3つのカテゴリーの方だけですので、若い方もぜひ意識してください。選択肢は a) 現在、役員クラスである b) 高度に専門職で売り手市場である c) ポジションを1ランク下げて転職するです。

a) 役員クラスは、限られた方にしか当てはまらないですし、56~57歳くらいになると声がかからなくなり、友人のネットワークに助けられるのが現状です。

b) 高度に専門職で売り手市場である仕事の具体例をお話しします。例えば食品業界に存在する、品質管理ルールを満たしているかどうかを調査する審査員の方が該当します。食品業界での職歴が十分にあり、審査ルールを理解しているなど求められる条件が多く、一般の人がすぐできる仕事内容ではないので、比較的年齢が上でも全く問題なく転職が可能です。ここでの鍵は高度にスペシャリストであることです。

c) ポジションを1ランク下げるとは、人事部長だった人が部門人事の責任者として応募するというケースです。本人の体調や介護などでスローダウンすることが必要になる世代、多少給与が下がっても良いので激務から解放される必要がある場合、十分経験がある人材が1ランク役職を下げれば年齢に関係なく転職できます。どのくらい給与が下がるかは大事な点ですが、この選択肢があることを理解していると安心できます。

将来、起業する予定がなく、一生組織に属することになりそうな方は、専門性を磨くことを意識しながら仕事をして転職を決めないと、人生の後半で大きくつまずくことになるので、どうか前半戦のキャリアを大事に築いてください。

ご本人の仕事が高度に専門職でない場合は、過去の人脈を振り返って自分のことを引き抜いてくれそうな方はいないか、よく考えてみるのが一番の早道です。元部下で、人脈で転職に成功してきている方の例を挙げます。

20年くらい前に一緒に働いたことがある女性で、30代半ばから還暦近い現在まで、人脈だけで転職できています。人当たりと面倒見が良くて、英語ができて、複数の仕事を同時に回すマルチタスキングが得意で、不満を言わないという、上司から見た理想の人材なので、引く手あまたで困らないのです。仕事の内容はサポート的なことが多く専門職ではないですが、50代で就職された現在の職場も、昔の上司からお声がけがあったそうです。

もし、彼女が、王道の転職活動をしたらどうでしょう。転職回数が多い上に、「年齢が…」と言われて、たぶん面接にこぎつける前に、書類選考で不合格になってしまうでしょう。50歳以上の転職に、人脈は欠かせないので、ぜひ棚卸しをしてみてください。お若い方も、将来のことを考えて、「まず目の前の仕事を頑張って評価を残す」「人間関係のトラブルを起こさない」を大事にして、人脈を築く努力をぜひ実行してください。

外資系への転職に関係する3つの年齢、30歳「大きなキャリアチェンジができる上限」、40-42歳「初めて外資系に移るならこのあたりまでに」、50歳「かなり多くの人材の転職が難しくなる年齢」について解説しました。職業人生は長いですし必ずしも計画通りにはなりませんが、後半戦を意識できると充実したキャリアになります。楽しみながら頑張ってください。応援しています!

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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