アジア経済のハブと言われるシンガポールでは、世界とつながるネットワークの拠点として、貿易・投資が発展してきました。その背景には、グローバルな大手・中小企業誘致の強化が上げられます。外国企業の誘致や産業振興を図る目的で様々な税制上の優遇措置を設けるなど、海外企業がビジネスをしやすい環境を常に提供してきました。
その中でも“イノベーション”に対して力を入れ、技術開発に有利なロケーションとして、充実した研究開発(R&D)や厳格な知的所有権(IP)制度を整備。技術革新・製品開発企業に対しては、免税措置が適用されたりと優遇し、積極的に“イノベーション”を推進した結果、これまで最先端技術の筆頭だったアメリカに対して、シンガポールがイノベーション大国として世界屈指レベルに発展してきました。
世界で最もビジネスに適した国ランキング -Singapore is the world's easiest place to do business- | ||
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Economy | 2011 Rank | 2010 Rank |
Singapore | 1 | 1 |
Honk Kong SAR, China | 2 | 3 |
New Zealand | 3 | 2 |
United Kingdom | 4 | 5 |
参照:Doing Business 2011 Report, World Bank
また、優秀な人材確保のため明確に基準を持った移民制度を導入する他、教育面では、外国の名門大学の誘致を積極的に行ったり、国民には海外留学者に対して奨学金制度を設置しています。
その結果、IMD World Competitiveness Yearbook 2010では、シンガポールが「最も競争力のある国」として1位となっており、シンガポールの競争力について、国際的評価が高くなっています。
最も競争力のある国ランキング -The World Competitiveness Index Ranking 2010- |
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参照:IMD World Competitiveness Yearbook 2010
日本とシンガポールのビジネススタイルは異なる部分があるため、それを理解して業務を円滑に進めるには、やはりその業界知識・スキルの高さ・英語能力や、組織でのチームプレーヤーとしての能力が求められます。 その他、外国人と活発にコミュニケーションをとる積極性や、新しい環境や人と生活する上でのバイタリティも大切です。
また、実力・能力主義をとるシンガポール企業では男女に差がなく社会進出が進んでいます。 2007年の時点で労働力人口比率を見ると、女性が54%と半分以上を占めており、(15歳以上を対象)官僚や企業の幹部クラスにも女性が多く見られます。
家庭と仕事が両立できるよう、メイドに子供を預けて働くというスタイルが確立しているなど、家庭をもちながらも、女性・男性とも働きやすい環境が整っています。
参照:Singapore Economic Development Board
シンガポールの人口は、中国人(75%)、マレーシア人 (13.7%)、インド人 (8.7%)、その他(2.6%)、とマルチな人種で構成されています。政府の移民受入政策により、外国人が就労ビザを比較的取得しやすい、ということもあり、4人に1人は外国の出身者で、多種多様な文化・ライフスタイル・宗教がミックスしているため、ユニークな"シンガポールスタイル"の混合文化が発展しています。
就労ビザのガイドラインとしては、一般的に大学卒業で2~3年以上の就労経験者が望ましく、また、申請するポジションに関連性の高い経験があると取得できやすくなります。
また、外国人が快適で安全に滞在できるように配慮されています。いかなる種類のゴミを捨てた場合にも、1,000シンガポールドルの罰金刑が課せられたりなど、クリーンを保つためにシンガポール独自の規律を徹底。また、1年を通して平均気温が27℃前後と年中温暖な気候のため、過ごしやすく緑豊かな都市としても評価されています。